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2005年05月01日

プロセスカラー印刷用アニロックスの仕様

1990 年代のはじめ、プロセスカラー印刷用アニロックスといえば、400-600線、4.4-2.1BCM(147-236セル/cm)程度が主流でした。こう した低線数仕様はフレキソ印刷の能力を制限し、オフセット印刷やグラビア印刷との競争に大きな障害となっていました。現在では、プロセスカラー印刷のジョ ブにはもっと高い線数のアニロックスロールを使うのが一般的です。具体的には、800-1200線、2.1-0.9BCM(315-472セル/cm)程 度です。アニロックスの線数が高くなったことで、濃度を下げずにより広いコントラストが得られるようになりました。これまで、フレキソ印刷によるプロセス カラー印刷の品質は以下の2つの問題を抱えていました。

  1. ハイライトにおける汚れ
  2. 25%周辺の汚れ

ハイライトにおける汚れをなくすためのアニロックス仕様 ハイライトにおける印刷の汚れを見てみます。下の図は、ハイライトにおけるドットブリッジングを拡大したものです。

こうした印刷の汚れは、刷版のドットがアニロックスセルよりも小さい場合に生じます。次の図で示されるように、ハイライトドットの大きさがアニロックスセルよりも小さいと「ドットディッピング」という状態が発生します。この状態が生じると、刷版のドットがアニロックスセル内部に完全に浸かり、インキを拾いすぎてしまい、印刷の汚れにつながります。

刷版上の最小ドットがインキ転移の際、アニロックスセルに浸かるのを防ぐことができればいいのです。

250線のアニロックスロール:セル口径96.6ミクロン/セル壁幅5ミクロン
*刷版線数120線の5%でドットディッピングが生じている。

500線のアニロックスロール:セル口径46.8ミクロン/セル壁幅4ミクロン

1000線のアニロックスロール:セル口径23ミクロン/セル壁幅2.4ミクロン

25%周辺で印刷の汚れを防ぐためのアニロックス仕様

ハイライト周辺の印刷の汚れの次は、25%-35%周辺の印刷の汚れについて見ていきます。25%周辺の印刷の汚れは、インキ皮膜が厚すぎることが主な原因です。滑らかで薄いインキ皮膜を維持するには、インキ転移量が少ないボリュームのアニロックスを選択しなければいけません。これまでの調査結果を見ると、プロセスカラー印刷に適したアニロックスボリュームは2.0BCM以下です。ボリュームが2.0BCM以下であれば、インキの膜厚はグラビア印刷やオフセット印刷のインキ膜厚に近いものになります。ただ、インキの皮膜を薄くするのであれば色強度を上げる必要性が生じる場合が多々あります。それでも、インキの膜厚を薄くすることによって、印刷の品質は大きく向上し、インキの消費量も削減できます。インキ消費量を削減できることで、色強度の高いインキの購入にかかるコストは相殺できるはずです。

インキとプロセスカラー印刷

1990年であれば、必要な色濃度を2.0BCM以下のアニロックスボリュームで再現できる色強度を持ったインキはそれほどありませんでした。もちろん、現在は違います。インキメーカーのほとんどが低いボリュームのアニロックスでも必要な色濃度を再現できるインキ組成を持っています。ただし、色強度を上げるために 顔料その他の成分が足されている分、コストは上がっています。生の顔料のコストは1ポンドあたり50.00-95.00米ドルの範囲だと言えます。

色強度の高いインキを低ボリュームのアニロックスロールで用いれば、インキマイレージが非常に効率的になります。現在のアニロックスボリュームが2.0BCM以上であれば、インキ消費の削減量は計算することができます。計算方法は簡単で、落としたボリュームの値をそれまでのボリュームの値で割ればいいのです。

例:1.8 BCM÷3.5 BCM=0.51(51%)

これからの使用量が以前の使用量の51%になるのですから、削減できる割合は49%になります。