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2005年05月01日

アニロックススコア線の予防

アニロックスにスコア線が生じてたびたび損傷が出てしまうと費用もかかり、精神的にもストレスが重なってしまいます。
ただ、こうしたトラブルは多くの企業が予防できています。その予防法について以下に述べます。

1.スコア線の確認 スコア線はドクターブレードとアニロックスの間に硬くて小さい物質が挟まり、アニロックスの回転によってセルが縦方向に傷ついて生じます。こうした傷は細い線となって現れます。 このアニロックススコア線には2つの種類があります。

  1. セルに深い傷が生じ、印刷画像に暗い線となって現れるもの
  2. セルがつぶれて、印刷画像に明るい線となって現れるもの(より多く見られるトラブル)

幸い、こうしたスコア線にはいくつかの予防法があり、実践すれば被害を最小限に抑えることが可能です。

アニロックススコア線の詳細

図1、2:セルに深い傷が生じた例

上 の2枚の写真は、深い傷が生じたアニロックス表面を拡大したものです。傷の周囲のセルには特に傷がついていません。この種のスコア線は、比較的大きな不純 物がドクターブレードとアニロックス表面の間に挟まって生じます。この場合、傷がつくセルは横方向で複数に及び、縦方向には一周してしまうのが一般的で す。このスコア線が生じると、印刷画像に暗い線となって現れます。

図3:セルがつぶれてスコア線になった例

上の写真はセルがつぶれてスコア線になったアニロックスの表面を拡大したものです。この場合、損傷が出ているのはセル壁のみです。表面が研磨されたように見えます。
この種のスコア線が生じると、アニロックスのインキ転移容量が減り、印刷画像の流れ方向に明るい線となって現れます。

注: 印刷画像内に明るい線が出た場合、全ての原因がアニロックスのスコア線というわけではありません。洗浄が不完全でセルが詰まっている場合でも印刷画像に明 るい線となって現れます。この場合、細かい金属ゴミや乾燥インキなどがアニロックスセルを研磨してしまい、目詰まりを発生させてしまいます。これによって インキ転移量が失われ、印刷画像にインキが転写されず明るい線となって現れるのです。

2.最大要因:ドクターブレードの破片による傷 ドクターブレードの使用法を間違えると金属片が発生することがあります。これが、スコア線の最大要因です。こうした金属片はドクターブレードが磨耗して発生します。

図4

間 違ったドクターブレードの使用方法:ブレードを交換する場合、磨耗した短いブレードを外して新しい長いブレードに取り付けますが、この際にチャンバーが長 いブレードに合わせて調節されていないと、アニロックスと接触した際に圧力がかかりすぎてしまいます。また、オペレータがアニロックスを交換せずに刷版へ の転移量を調節しようとしてブレード圧をかけすぎてしまう場合もあります。 通常のブレード圧であればアニロックス表面に傷がつくことはほとんどありません。これは、通常使用で混入する微小な金属片では小さくて、ブレードの先端と アニロックスセル壁の間に挟まることはないからです。

図5:ブレード圧がかかりすぎた場合

ブレード圧がかかりすぎると、ドクターブレードが反り返って先端ではなく側面がアニロックス表面と接触します。反り返った状態でブレードの側面が磨耗すると、先端が切れて比較的大きな金属片となってインキに混入してしまいます。 正しいブレード圧であれば、ドクターブレードの先端のみがアニロックス表面に接触する状態になります。(下記の図6参照)

図6:正しいブレード圧

ブ レード圧の設定が間違っていなければ、インキの転移量、印刷の品質、およびブレードの磨耗といった要素が最良の状態になります。チャンバーのアラインメン トが狂っていたり、オペレータのミスなど(あるいはチャンバーからのインキ漏れを止めようとして)でブレード圧がかかりすぎるとブレードの先端が欠けてイ ンキに大きな金属片が混入してしまいます。

スコア線の最大要因について 下の写真(図7)は、ブレード圧がかかりすぎてブレード先端が欠けたものです。

図7:ブレード先端が欠けて生じた金属片

次の写真は、フィルターマグネットにかかった金属片です。こうした金属片は、1mm程度から大きいものでは50cmを超える場合もあります。

ブレードチャンバーのアラインメント(アニロックスに対して水平方向および垂直方向)とメンテナンス(洗浄、シーリングの設定、およびブレードの取り付け)を正しく行うことがスコア線を予防する最も有効な手段と言えます。